卒業する諸君へ

2012年度学部卒業式式辞

本日,精密機械工学科を卒業された134名の学生諸君に学科教職員一同より心からのお祝いを申し上げます.皆さんおめでとうございます.

本日ご出席のご父母の皆様にも,ご子様が中央大学理工学部精密機械工学科を卒業され,新たな門出の時を迎えられましたことに心からお祝い申し上げます.

さて,ここにいる大部分の皆さんが入学された2009年は,前年の2008.9にリーマンショックによる突然の世界的不況,その様な状況下で日本は長期のデフレスパイラル,非正規労働者の増加など暗い話題が世間を賑わしていました.そして,2011.3.11東日本を襲った未曽有の大震災とレベル7となってしまった福島原発の事故が起こり,日本人の価値観が大きく変わることになりました.追い打ちをかけるように,ギリシャに端を発した欧州危機による中国を含む世界的な経済の減速と、日本にとっても明るい兆しを見いだせずにきました.最近はいわゆるアベノミクスで大企業を中心に業績回復とそれに伴う賞与のUp等の報道もなされますが,まだまだ完全な景気回復とまでは言えないのが現状です.そんな中で,皆さんの大部分は社会人・とりわけ技術者として世の中に巣立っていくわけです.こういう厳しい時代ゆえに,企業は皆さんにはより多くのことを求めるでしょう.そして,皆さんの技術者としての人生も決して平坦とは言えないでしょう.だが皆さん,そんな状況でも自分の力を信じて挑戦し前進してください.皆さんは,現時点では技術者の卵にすぎません.しかし,皆さんは中央大精密機械工学科での講義・卒業研究を通して,技術者としての必要な基礎的知識を習得し,その知識を基に問題解決能力の訓練をしながら技術者になるための基礎を築いてきたのです.どうか,社会人になった後は,この基礎の上に皆さんの努力でより多くのものを築き上げ、立派な技術者になってください.もちろん,技術者以外になる人も,学部で訓練してきた問題解決能力は今後,いかなる職業に就こうとも,必ず必要になると思います.また,進学する皆さんは,企業ではできないこと,身につかないことを大学院での最先端の研究を通して是非とも自分の物にしてください.そのためにも,是非とも大学院では,学部時代の何倍も研究に研鑽してください.そのことこそが皆さんが進学する意義なのです.

本日皆さんは中央大学精密機械工学科を巣立っていきますが,これから皆さんが幾つになっても,どんな地位に就いたとしても,今ここにいる人達はかけがいのない友達,仲間なのです.是非とも中央大精密機械工学科の同窓であることを誇りに思い,末永い友情を育んでください.また,これまで皆さんを支えてくださった御父母・ご家族に対する感謝の気持ちを忘れないで下さい.

 

私達教職員も,本日で皆さんとお別れとなりますが,別れの寂しさよりも皆さんが中央大学精密機械工学科の卒業生として,社会の多方面で活躍してくれることへの期待の方がはるかに大きいのです.ですから,皆さんには卒業後も,是非とも大学・研究室へ顔を出してください.そして,皆さんが立派に成長している姿をわれわれ教職員に見せてください.そのことが,ここにいる全ての教職員にとって何事にも変えがたい喜びなのです.また,大学・研究室を訪問した際は,皆さんの後輩に社会人としての経験を色々話してください.きっと,皆さんの後輩の今後に大いに役立つことだと思います.
最後になりますが,皆さんの健康と今後の益々のご活躍を心からお祈り申し上げます.そして,もう一度本日はおめでとうございます.また、ご子様が本学に入学以来,精密機械工学科への皆様からのご厚情,ご支援に対しても,教職員を代表してここに深く御礼申し上げます.

 

以上はなはだ簡単ですが,学科主任として皆さんへの祝辞とさせていただきます.

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