2010年度 精密工学専攻入学式

2010年4月4日(日)修士・博士入学式が行われました。
体育館で理工学部、理工学研究科の全体入学式が行われた後、教室を移動し各学科毎に入学式を行いました。
写真は精密工学専攻の入学式の様子です。

  

入学式祝辞(平岡教授)

精密工学専攻へ進学した新入生諸君おめでとう.教職員を代表して諸君に歓迎の挨拶をします.

大学までの勉強と大学院の勉強の大きく違う点は,研究中心であることです.ときどき「自分の勉強不足を痛感したのでもっと勉強したくて大学院に来ました」という人がいますが,それは考え違いです.

小学校から大学までは先生の話をよく聞いて理解して自分のものにすることが要求されますが,大学院で求められるのは,諸君が持っている能力を使って新しい発見をし,新しい技術を作り上げることです.言わばサービスを受ける側からサービスをする側へ180度立場が変わったことになります.

先ほど「諸君を歓迎します」と言いましたが,それは,新しい世界を一緒に切り開いていく共同研究者として歓迎したのです.精密工学専攻には優秀な教員が揃っていますが,研究テーマの最先端で起こる現象をすべてわかっているわけではありません.最先端に立っているのは君らです.残念ながら教員は四六時中研究のことを考えているわけにいきません.四六時中朝から晩まで自分の研究について考えていられるのは君らです.教員の知らないこと,間違って理解していることを「先生,それ違います」と教えて下さい.

また,精密工学専攻に所属する教職員はここにいる20名ほどしかいません.教職員だけで,最先端の研究を行い,学部・大学院の授業をし,学科・専攻・研究室を運営し,学会や協会の仕事をすることはできません.諸君のもう一つの役割はそうした仕事を補佐するスタッフです.すでに授業のアルバイトなどをお願いしていますが,研究室の予算管理,物品管理,学部生の面倒などさまざまな仕事でも手伝って下さい.

諸君の友人の多くは就職して働き始めています.給料をもらって9時から5時まで仕事をしています.それに対して諸君は学費を払って研究をすることになります.給料をもらって仕事をするのは当たり前ですね.お金を出してまで仕事をしようというからには,お金をもらって仕事している人たちに負けるわけにはいきません.月曜日から金曜日,9時から5時では会社員と同じですよ.朝から晩まで,毎日,勉強と研究に専念して下さい.寝床の中でも「あの実験どうやればうまくいくんだろう」と考えながら寝て下さい.そうやって,世界で誰もやったことのないことを実現し,誰も見ていないことを見て下さい.

企業は,院生をその企業の技術の中核を担う人間として採用しようとしています.それは,受け身ではなく進んで新しい技術を切り開いて行く能力,組織全体をみて仕事を管理できる能力,目的を達成するために集中して仕事ができる能力を期待しているからです.2年後にはそのような人材と高く評価されるようにぜひ頑張って下さい.

簡単ですが,以上歓迎の式辞とします.皆さん入学おめでとう.

  

式が終わった後、教授と新入生でお茶とケーキを楽しみました。

入学式運営のお手伝いをしてくれた修士2年の先輩達です。一日お疲れさまでしたッ!!

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