中村研究室助教 山田先生

精密機械工学科に2016年4月に赴任された,助教の山田泰之先生を紹介します.

【経歴】

慶應義塾大学 理工学部 機械工学科卒業(2009年3月)

慶應義塾大学大学院 理工学研究科 環境開放科学専攻 後期博士課程修了(2013年3月)

日本学術振興会特別研究員(2011年4月~2014年3月)

東京工業大学大学院理工学研究科機械宇宙システム専攻 福島研究室 研究員(2013年4月~2014年3月)

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員(2013年4月~2014年3月)

日産自動車株式会社 R&D(2014年4月~2015年9 月)

中央大学 研究開発機構 機構助教 ( 2015年9月~2016年3月)

中央大学理工学部精密機械工学科助教(2016年4月~)

 

【研究】

私は,「形・構造・ダイナミクスの関係性を追及することで,人間や周辺環境を含めたシステム全体と調和し,かつ多様性やロバスト性を生み出せるメカニズム」の創生に取り組んでいます.

複雑多様化した人間の活動に対応するために,ソフトウェアの進化は目覚ましく,作業や情報伝達の高速効率化等が実現されています.一方で,人やその生活環境がアナログであるため,複雑多様化した様々な問題を抜本的に改善するためには,実際の物理的な繋がりを担うハードウェアの進化も必須と考えています.私は,ハードウェアの構成要素の中でも,特にメカニズムに着目し,形,構造やダイナミクスの関係性を追及したメカニズムで,システム全体と調和して,複雑多様な課題解決を試みています.

センサやモータを沢山利用した複雑で多自由度な機械システムは,一見,未来的で役に立ちそうですが,目的に対して最適な解とは限らないと考えています.私はむしろ最も単純な構成や形状,少ない動きの自由度で構成されたシンプルな機械システムを出発点として問題の本質的な解決を目指しています.

大学は主に,省エネ・省力化のための自重補償メカニズムを研究し,大学院では移動メカニズムについて研究を行ってきました.

自重補償メカニズムとは,カウンタウエイトや弾性要素を利用して,機械にはたらく重力によって生じる無駄なエネルギ消費を軽減するための技術です.様々な荷役機械,建設機械,ロボットアームやアシストスーツへの応用研究を行っています.

移動メカニズムの研究については,よりシンプルでロバスト性の高い移動メカニズムを目指しています.例えば,火山観測のためのクローラロボット等を研究してきました.最近では,最小の移動メカニズム・モビリティとし靴もテーマの1つとして研究しています.例えば,歩きやすいハイヒールYaCHAIKAも提案しています.

上記のような“もの”を主体とした研究は,PCのみでスマートには行えず,手を使って試作を繰り返して地道に進めます.機械,ロボット,メカニズム等のものづくりに興味がある方,将来のモノづくりに貢献したい方は,ぜひ中村研に足を運んでその様子実際に見てみてください.きっと自分の手で何か作りたくなります.

 

【興味・趣味】

とにかく何かを作ることが好きです.自動車,機械,料理,靴,家具,内装,陶芸,アクセサリ等々なんでも作ります.既製品というものは,基本的に特定の1人のユーザ(私だけ)のために作られたものではありません.そのため,全てのユーザが完全に既製品で満足できないのは当然です.私は何かを買って使っている間に不満があれば,直ぐに改造します.それでも満足できない場合に,自作しようと思い立ちます.これが私のものづくりのスタートです.このように,機械系学科出身という強みを生かし,図面を引いたり,部品を選んだり購入したりすることで,身の回りの色々なものを自分ごのみにカスタマイズすることが大きな趣味となっています.

是非皆様も,精密機械工学科で,自分でものを作れるスキルと知識を身に着けて,仕事だけでなく,私生活や趣味でもその威力を発揮してものづくりを一生楽しんでほしいです.

 

 

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