戸井研究室助教 有光先生

精密機械工学科に2014年4月に赴任された,助教の有光哲彦先生を紹介します.

【略歴】

中央大学理工学部精密機械工学科 卒業(19984月)

中央大学大学院理工学研究科精密工学専攻 博士課程前期課程 修了(20003月)

ソニー株式会社(20004月~201012月)

中央大学大学院理工学研究科精密工学専攻 博士課程後期課程 修了(20143月)

中央大学理工学部精密機械工学科 助教(20144月~)

博士(工学)

 

【学生生活と研究】

 理工学部時代を振り返り,毎日を文武両立する充実した生活を送りました.戸田公園のボート部合宿所で約50名の中大生と共同生活し,夜明け前と夕暮れ後にボートを漕いでいました.限りある時間の中で集中して勉学に励み,授業の合間には大学図書館で,寝静まる深夜には合宿所の食堂で部員達と授業の課題に取り組みました.ボート競技で最も速いエイトと呼ぶ8人乗りは理工学的にも奥が深く,同志で多角的に議論したレースでの達成感は忘れません.

大学院(前期課程)に進学し,コンサートホールの舞台床の快音化に関する研究を楽器メーカと行いました.演奏者や観客にとって心地の良い音環境を提供するために,コントラバスやチェロのエンドピンが舞台床に伝える振動や放射音の聞き分け能力を解析して,木材の異方性を考慮した音色の調節が可能な舞台床構造の快音設計手法を提案しました.

その後,ソニー株式会社に入社し,研究開発および事業化に従事しました.デジタル音響信号および映像信号処理(解像度創造)技術に基づいた製品やビジネスモデルを創りだす研究をし,新しいテレビ,シアタ,ホームおよびモバイルのプロトタイプを製作し,数多く特許を出しました.また,北米の自動車メーカと,臨場感あるオーディオ空間をアコースティックエンジニアとして創り出しました.海外に滞在しての仕事は時差の反転,気候,物資や人材など不自由で創意工夫が必要で苦労しましたが,次々と未来デザインの車両の製品化に携われたことは貴重な経験です.

大学院(後期課程)に再進学し,感性を考慮した活動支援のための機能性を有する音環境創造に関する研究を行い,この音環境をスマートサウンドスペースと定義しました.この研究により,音環境で人の活動を支援できることを明らかにし,さらには多数のスピーカを制御して多領域で支援ができるようになりました.今後は.住宅,自動車,医療,職場において,機械製品を協調制御して,聴覚のほか視覚や皮膚感覚などへの複合刺激により,人の心と体がその時々の目的に相応しい状態になることが期待できます.

最後に,機械や人の全てがネットワーク化する今日,まだ教科書にはない未体験のものづくりが要求されています.中央大学に着任してからは,これまでの企業と大学での研究を発展させ,様々な製品へと適用していきたいと考えています.

これからもどうぞ宜しくお願い致します.

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